ライトノベル

ラノベ『涼宮ハルヒの憂鬱』【シリーズ全11巻紹介】

『涼宮ハルヒの憂鬱』は、「ビミョーに非日常系学園ストーリー」と銘打たれたライトノベル作品で、そのシリーズ1作目に『涼宮ハルヒの憂鬱』があり、スニーカー大賞で大賞を受賞したり、ラノベ人気ランキングで1位を獲得するなど人気シリーズとなりました。

他のシリーズには『涼宮ハルヒの消失』や『涼宮ハルヒの驚愕』など、『涼宮ハルヒの〇〇』というタイトルでシリーズ化されています。

涼宮ハルヒを中心に、主人公が振り回されながらドタバタと進んでいく物語。ライトノベル好きはもちろん、これからライトノベルを読んでみようという方も、ぜひ読んでほしいシリーズです。

『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒとの出会い

「ただの人間には興味ありません。
宇宙人、未来人、超能力者がいたら、
あたしのところに来なさい。以上。」

高校に入学したキョンは、入学早々ぶっとんだ挨拶をかました涼宮ハルヒに目を奪われます。

自己紹介の発言のみならず、その後も奇妙な言動ですっかり目立つ存在になってしまったハルヒでしたが、ある日、キョンはふとした拍子にハルヒに声をかけてしまいます。それをきっかけに、ハルヒと交流を持つようになったキョンは、破天荒なハルヒに振り回されるようになります。高校に入学した主人公・キョンと、入学直後の自己紹介で破天荒な発言をした涼宮ハルヒが出会うところから物語は始まります。常々、日常に退屈をしていたハルヒは、宇宙人や未来人などの存在と出会うべく、グラウンドに絵を描くなどの奇行を繰り返していたため、周りからは浮いた存在でした。

そんなハルヒに、キョンはひょんなことから声をかけてしまったことがきっかけで、ハルヒの立ち上げた部活「SOS団」に入部させられることになってしまいます。「SOS」とはすなわち、「世界を・大いに盛り上げる・涼宮ハルヒの団」という意味で、その目的は、宇宙人や未来人達を探し出し一緒に遊ぶことでした。

ハルヒは、キョンの他に、いつも本を読んでいる長門有希、小柄でマスコット的な上級生の朝比奈みくる、イエスマンでイケメンの古泉一樹を、ほとんど無理やりSOS団に入部させます。ですが、その3人こそ、実は宇宙人に未来人、そして超能力者だったのです。

そんな3人がハルヒのもとに集ったのも、ハルヒ自身が、自分の望みを具現化して世界を作り変えてしまうという神にも似た力を持っていたからでした。しかし、ハルヒ自身はそんな力を自分が持っているとは思ってもおらず、そのことを知っているのはハルヒ以外のSOS団だけです。

そんなメンバーの日常がまともな日常になるわけでもなく、キョン達は非日常に巻き込まれていきます。



ラブコメがある日常と、SFがある非日常が交錯する物語。普通の世界系で、セカイ系の物語。転生はしない異世界も存在する、そんな物語です。

性格的に周囲と馴染めない女子高生を主人公にした、語り手の少年との日常にあるラブコメ的な青春ドラマかと思いきや、宇宙人、未来人、超能力者の副主人公たちとのとんでもない非日常もあり、日常と非日常とがうまく交錯するストーリーはなかなかに面白いです。

副主人公それぞれがSFな知識を使って語っているところは、このあたり作者がSFの知識を充分に咀嚼しているのが感じられます。ラノベを呼称することもない立派なSF作品なのに、ラノベの読者が求める美少女をキャラクターにしていて、いわゆる萌え絵的な表紙や挿絵が描かれているあたりラノベの定義を抑えているので、しっかりラノベです。

また、やれやれ系主人公、ツンデレヒロイン、ロリ巨乳、コスプレ、時間ループ、へんてこ部活、ハーレムなどなど、ラノベのテンプレをつくった歴史的作品でもあります。

 

この作品の大きな魅力は、主人公涼宮ハルヒのエキセントリックなキャラクター造形にあります。自分の興味の赴くままに行動する破天荒な性格でありながらも美少女で賢く、語り手のキョンにだけツンデレを発動するというめちゃくちゃに見えるようで思わず好きになってしまう、そんなキャラクターです。

そして、もう一つ大きな魅力が、語り手であるキョンです。読者を物語の世界観に自然と引き込んでくれるような一人称語りや、時折入ってくる饒舌で軽妙なツッコミが物語を飽きさせずに読み進めることができます。

ラノベ『涼宮ハルヒの憂鬱』を読んだ感想しっかりライトノベルであり、文学作品でもあり、立派なSFであり、深夜アニメの代表となった原作のシリーズ第1作『涼宮ハルヒの憂鬱』。読後の感想や魅力を書きました。...

 

『涼宮ハルヒの溜息』キャラクター達の個性紹介

文化祭にて映画を上映することになったSOS団。

ハルヒの奔放な言動に振り回されながら映画撮影を敢行する一行。

宇宙人、未来人、超能力者にとって特異な存在であるハルヒの思い付きが、世界の形を変えてしまう。動物の姿や物理法則……あらゆるものが次第に映画の内容に沿うように変化し始めてしまう。

自身の影響で世界が変わり始めていることに気がつかないハルヒの機嫌を損ねることなく、無事映画を完成させるために為すべき事は――。


涼宮ハルヒシリーズ第2作『涼宮ハルヒの溜息』。今作は、文化祭という物語の中でハルヒの能力をきちんと認識できる最初の事件が起きて、「この結論ってどうなるの?」とヤキモキしながら読み進めることになりますが、そこを楽しむ作品になっているかなと思います。

 

夏休みが終わって数日後、第三走者の長門が瞬間移動並みの速さを見せ、陸上部は自信喪失、SOS団の変態性も高まった狂乱の体育祭。それが終わり、次の高校イベント文化祭でSOS団が自主制作映画を撮影するのが今回の話。

撮影中、ハルヒの潜在願望によって引き起こされる超常現象を上手く誤魔化し、それでいてハルヒが満足する映画を作り上げなければならないという理不尽な活動を強いられるSOS団のメンバー。

黒ずくめのマントに黒のトンガリ帽子、肩に三毛猫のシャミセンを乗せた長門に注目です。

ラノベ『涼宮ハルヒの溜息』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第2作『涼宮ハルヒの溜息』。今作は、文化祭という物語の中でハルヒの能力をきちんと認識できる最初の事件が起きて、「この結論ってどうなるの?」とヤキモキしながら読み進めることになりますが、そこを楽しむ作品になっているかなと思います。...

 

『涼宮ハルヒの退屈』短編集第1弾

ハルヒと出会ってから俺は、すっかり忘れたと言葉だが、あいつの辞書にはいまだに”退屈”という文字が光り輝いているようだ。その証拠に俺たちSOS団はハルヒの号令のもと、草野球チームを結成し、七夕祭りに一喜一憂、失踪者の捜索に熱中したかと思えば、わざわざ孤島に出向いて殺人事件に巻き込まれてみたりして。まったく、どれだけ暴れればあいつの気が済むのか想像したくもないね……。


涼宮ハルヒシリーズ第3作『涼宮ハルヒの退屈』。今作はこれまでと違って、短編が4つ収録されています。どれもが雰囲気の違う話になっていて、それぞれ楽しむことができました。

涼宮ハルヒと言うよりはキョンが憂鬱だったのではないかと思われる春先から、やはりハルヒではなくキョンがすっかり溜息づくしだった自主映画撮影の秋ごろ。その間の夏休みに起こった内容、朝比奈さんが活躍した笹の葉ラプソディ、長門が活躍したミステリックサイン、小泉が活躍した孤島症候群が本作『涼宮ハルヒの退屈』の短編4本になってます。

ラノベ『涼宮ハルヒの退屈』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第3作『涼宮ハルヒの退屈』を読みました。今作はこれまでと違って、短編が4つ収録されています。どれもが雰囲気の違う話になっていて、それぞれ楽しむことができました。...

 

『涼宮ハルヒの消失』映画化された人気作品

「涼宮ハルヒ?それ誰?」って国木田よ、そう思いたくなる気持ちは分からんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが、他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。
混乱する俺に追い討ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった!どうやら俺はちっとも笑えない状況におかれてしまったらしいな。


長門有希が話の中心になるので、長門が好きな方は何回でも読み直したくなる物語です。この物語の長門は、宇宙人ではない普通の女子高生で、そんな長門がキョンに恋心を抱いてしまうような展開を予感させつつ、一方でキョンも、それまでどこか一線を引いて周りを見ていた気持ちが少しずつ変わっていく姿が描かれており、2人の揺れ動く気持ちが切ないです。

それまでその存在感で周囲を巻き込み、振り回していたハルヒが、この物語では世界が改変されているために少し後ろへ引いた感じになっているのも、本作の見どころです。

ラノベ『涼宮ハルヒの消失』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第4作『涼宮ハルヒの消失』を読みました。長門有希について大いに語ります。...

 

『涼宮ハルヒの暴走』短編集第2弾

夏休みに山ほど、遊びイベントを設定しようとも、宿敵コンピ研が持ちかけてきた無茶苦茶無謀な対決に挑もうとも、ハルヒはそれが自身の暴走ゆえとはこれっぽっちも思っていないことは明白だが、いくらなんでもSOS団全員が雪山で遭難している状況を暴走と言わずしてなんと言おう。
こんなときに頼りになる長門が熱で倒れちまって、SOS団発足以来、最大の危機なんじゃないのか、これ!?


夏休みの8月17日から8月31日を15,498回ループした「エンドレスエイト」、文化祭が終わった後、かつてSOS団にコンピューターを奪われたコンピ研(コンピューター研究会)が、コンピューターの返還をかけて自作PCゲームで勝負をしかけてくる「射手座の日」、キョン達の上級生でハルヒと妙に気が合っている鶴屋さんの別荘へ遊びに行ったSOS団が不可思議な出来事に遭遇する「雪山症候群」の3編が収録されています。

SFエンタメとしてはもちろん、「雪山症候群」では謎解き要素も入り込んできて、ちょっとしたミステリー小説を読んでいる感じも味わえます。また、「射手座の日」では、SOS団と対決するコンピューター研究会のキャラクター達も活躍するので、SOS団メインの他のエピソードとはまた違う面白さを感じられるエピソードになっています。

ラノベ『涼宮ハルヒの暴走』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第5作『涼宮ハルヒの暴走』を読みました。...

 

『涼宮ハルヒの動揺』短編集第3弾

幻にしておきたかった自主映画だとか突然のヒトメボレ告白、雪山で上演された古泉渾身の推理劇や、朝比奈さんとの秘密のデートSOS団を巻き込んで起こる面白イベントを気持ちいいくらいに楽しんでいる涼宮ハルヒが動揺なぞしてる姿は想像できないだろうが、分かさのハプニングであいつが心を揺らめかせていたのは確かなことで、それは俺だけが知っているハルヒの顔だったのかもな……。


文化祭当日、ハルヒと長門がバンドでステージに立った「ライブアライブ」。「朝比奈ミクルの冒険 episode00」は自主制作した映画そのものの話で、『溜息』での映画撮影風景と多くリンクしているのが特徴です。

他に、キョンがいきなり中学時代のクラスメイトから愛しているという電話を受ける「ヒトメボレLOVER」、冬休みに鶴屋さんの別荘で開催された推理ゲーム「猫はどこに行った?」、年を超えた1月、キョンが文芸部の部室にいるみくると遭遇する「朝比奈みくるの憂鬱」の5編が収録されています。

ラノベ『涼宮ハルヒの動揺』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第6作『涼宮ハルヒの動揺』を読みました。...

 

『涼宮ハルヒの陰謀』みくるが唯一メインヒロインになる長編

年末から気にしていた懸案イベントも無事こなし、残りわずかな高一生活をのんびりと楽しめるかと思いきや、ハルヒがやけにおとなしいのが気に入らない。
こんなときには必ず何かが起こる予感のそのままに、俺の前に現れたのは8日後の未来から来たという朝比奈さんだった。しかも、事情を全く知らない彼女をこの時間に送り出したのは、なんと俺だというのだ。未来の俺よ、いったい何を企んでいるんだ!?


今作は、ハルヒの陰謀と、朝比奈さんとタイムスリップが大きく関わるお話です。

ハルヒの陰謀パートではSOS団の日常が描かれ、その裏で、キョンと朝比奈さんがタイムスリップを通していろんな問題を解決していく非日常が並行して進みます。

全7章構成で、ここまでのシリーズで最長の400ページ越え。手にとってみるとあきらかに厚い本なのですが、ハイスピードで読み進められて、タイトルが示す『涼宮ハルヒの陰謀』なる部分がオチで明らかになったときは、ハルヒらしくてスッキリ読み終えられます。

ラノベ『涼宮ハルヒの陰謀』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第7作『涼宮ハルヒの陰謀』を読みました。...

 

『涼宮ハルヒの憤慨』短編集第4弾

涼宮ハルヒが暇を持て余してたらそれこそ天地が逆になる騒ぎだろうが、むやみに目を輝かせてるのも困った状況ではある。それというのも生徒会長となるお方が、生徒会はSOS団の存在自体を認めないなどと言い出しやがったからで、意外な強敵の出現にやおら腕章を付替えたハルヒ“編集長”の号令一下、俺たちSOS団の面々はなぜか文集の原稿執筆などという公卿の真っ最中なわけだ。


短編集第4弾。ストーリーはいったん休憩して、SOS団らしくのほほんとしていたり、ドタバタしていたりするのを見られた内容になっていました。

「編集長★一直線!」は、文体や構成が独特なものになっていて、話自体も今までにない恋愛要素が含まれていたりします。一方の「ワンダリング・シャドウ」は、ハルヒの王道的なストーリーになっていて、「そういえばハルヒってこんなだった」と思い出します。

「編集長★一直線!」はストーリーが面白く、「ワンダリング・シャドウ」は長門の変化も見られて、どちらも甲乙つけがたい良さがありました。

ラノベ『涼宮ハルヒの憤慨』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第8作『涼宮ハルヒの憤慨』を読みました。「編集長★一直線!」は、文体や構成が独特なものになっていて、話自体も今までにない恋愛要素が含まれていたりします。一方の「ワンダリング・シャドウ」は、ハルヒの王道的なストーリーになっています。...

 

『涼宮ハルヒの分裂』分裂する物語の始まり

桜の花咲く季節を迎え、涼宮ハルヒ率いるSOS団の面々が無事に進級を果たしたのは慶賀に堪えないと言えなくもない。だが爽やかなはずのこの時期に、なんで俺はこんな面子に囲まれてるんだろうな。
顔なじみのひとりはいいとして、以前に遭遇した誘拐少女と敵意丸出しの未来野郎、そして正体不明の謎女。
そいつらが突きつけてきた無理難題は、まあ要するに俺をのっぴきならない状況に追い込むものだったのさ。


ついに敵対勢力がしっかり登場したり、謎の後輩も登場して、新たな展開が始まりました。シリーズ8作目までは、キャラクターの内面を掘り下げたり、SOS団の日常を描いたりでしたが、本作からまたSF的展開に重点を置いたストーリーになっていたと思います。

タイトル通り、ストーリーは途中で「α」と「β」の2つの時系列に分裂していきます。「α」の時系列ではSOS団のメンバーが平和的に過ごしている一方、「β」ではSOS団が襲撃を受けたりと不穏な展開をしていきます。次作の『驚愕』に続くシリーズ長編ものとして期待通りの面白さになっています。

ラノベ『涼宮ハルヒの分裂』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第9作『涼宮ハルヒの分裂』を読みました。ついに敵対勢力がしっかり登場したり、謎の後輩も登場して、新たな展開が始まりました。シリーズ8作目までは、キャラクターの内面を掘り下げたり、SOS団の日常を描いたりでしたが、本作からまたSF的展開に重点を置いたストーリーになっていたと思います。...

 

『涼宮ハルヒの驚愕』分裂する物語の完結

SOS団の面々が学年を上げたといって俺の魂に安寧が訪れることもなく、春らしい話題であるはずの旧友との再会についてはやっかいな事態の来訪を告げただけだったが、これらが引き起こすであろう事件は不確定な未来でしかありえなく、かつ過去に起きたことも磐石の一枚岩ではないという疑惑を振り払えず、つまり何が言いたいかというと面倒な立場に追い込まれてこんな独り言をぼやいてる俺の身になってほしいってことだの第10巻!



第9作『涼宮ハルヒの分裂』の続編です。「分裂した物語」と明らかにヤバい敵が登場しただけでも壮大なのに、朝倉や黄緑さん、朝比奈さん(大)に国木田に谷口に鶴屋さんまで。これまで出てきたキャラが勢揃いしていて、これが最終巻なんじゃないかと思う物語になっていました。

「α」では、SOS団に新団員候補のキャラクターが現れ、比較的平和なストーリーが繰り広げられるのに対し、「β」は不穏な空気が全面に出ており、最後までハラハラしながら読むことができます。何より、どうして時系列が分裂しているのか、それらが繋がった時、キャラクターに訪れる変化はどんなものなのか、2つの時系列が収束し再び1つになっていくラストはハラハラものです。

ラノベ『涼宮ハルヒの驚愕』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第10作『涼宮ハルヒの驚愕』前後編を読みました。第9作『涼宮ハルヒの分裂』の続編です。...

 

『涼宮ハルヒの直観』約9年ぶりの新作

初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ?


2011年に発刊された『驚愕』から9年越しの新作で、短編集です。短編の『あてずっぽナンバーズ』、中編の『七不思議オーバータイム』、長編の『鶴屋さんの挑戦』の3本収録されています。そのうち2本は既に発表されているものを掲載しただけなので、本当の新作は1本だけとかそんなふうには思っておらず、ただ込み上げる歓喜の気持ちで「ハルヒ、おかえり」とそう呟くだけです。

ミステリーをただトリックとその解決だけに留めておかないのが『涼宮ハルヒの直観』が傑作たる所以であり、ハルヒがハルヒであり続けてくれた様や饒舌で軽妙なツッコミが健在の語り手であるキョン、長門の珍しいふるまいやみくるちゃんの愛らしい言動が実は解決の糸口になっていたり、小泉のミステリー談義や鶴屋さんの底知れなさが改めて明らかになっていったり。時に魅力的なキャラクター小説としてなど、いろんな面で圧倒的な面白さを魅せてくれた『涼宮ハルヒの直観』は、やはり格別の味わいを誇る物語になっていたと感じました。

ラノベ『涼宮ハルヒの直観』を読んだ感想涼宮ハルヒシリーズ第11作『涼宮ハルヒの直観』を読みました。2011年に発刊された『驚愕』から9年越しの新作で、短編集です。短編の『あてずっぽナンバーズ』、中編の『七不思議オーバータイム』、長編の『鶴屋さんの挑戦』の3本収録されています。そのうち2本は既に発表されているものを掲載しただけなので、本当の新作は1本だけとかそんなふうには思っておらず、ただ込み上げる歓喜の気持ちで「ハルヒ、おかえり」とそう呟くだけです。...

 

まとめ

数あるライトノベルの中でも大人気作として名高い涼宮ハルヒシリーズ。人気があるということはそれだけ多くの人に受け入れられているということなので、ライトノベルを読んだことのない方の最初のラノベとしても良いかもしれません。特に第1作はラストもきれいにまとまっているので、まずは1巻だけでもぜひ読んでみてください。

▼ラノベ 涼宮ハルヒシリーズ 全巻セット


 

アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が気になる方はこちら

アニメ化もされているので、ラノベではなく、アニメが気になった方は下記の記事をチェックしてみてくださいね。

▼【Netflix】アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』を視聴した感想

https://rinblog.org/anime-suzumiya-haruhi/

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りん
沖縄から福岡に移住。QA/Webデザイナー/SE/フリーランス/SE人事など。趣味や好きなことをブログにまとめてます。