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ラノベ『涼宮ハルヒの退屈』を読んだ感想

涼宮ハルヒシリーズ第3作『涼宮ハルヒの退屈』を読みました。

今作はこれまでと違って、短編が4つ収録されています。どれもが雰囲気の違う話になっていて、それぞれ楽しむことができました。

涼宮ハルヒと言うよりはキョンが憂鬱だったのではないかと思われる春先から、やはりハルヒではなくキョンがすっかり溜息づくしだった自主映画撮影の秋ごろ。その間の夏休みに起こった内容が本作『涼宮ハルヒの退屈』の短編4本になってます。

涼宮ハルヒの退屈

あらすじ

1学期の期末試験が終わったある日、ハルヒはSOS団で草野球大会に出場すると言い出した。もちろんただの退屈しのぎだ。谷口、国木田、鶴屋、キョンの妹を加えた9人で出場した草野球大会だったが初戦でいきなり優勝候補とぶつかってしまう。しかも3回ですでにコールドゲームぎりぎりまで追い込まれる。
ハルヒのストレスが例の閉鎖空間を生み出してしまい・・・。

 

感想

退屈しのぎにSOS団で野球大会に出るお話。

試合に負けるとハルヒが機嫌悪くなり、閉鎖空間が発生、拡大、そして神人が暴れてしまうのでなんとか勝たないといけないらしい。とはいえ、SOS団は野球素人集団、対する相手チームは優勝候補。そんな困ったときの長門頼み。寄せ集めの素人チームが、強豪チームを完膚なきまでに叩きのめすさまは痛快を通り越して、相手に憐憫の情が。

スケールは大きいですが、驚くような展開はありませんでした。むしろ、これがSOS団の日常という感じを垣間見れて、とても好きなお話です。

あとがきによると、『憂鬱』より先に世に出た第一作目だったらしい。

 

笹の葉ラプソディ

あらすじ

七夕の日に笹の葉に願い事を書いた短冊をつるそうとハルヒが言い出した。適当につきあうキョンたち。その日の部活後、みくるがキョンに話があるという。なんと一緒に3年前にタイムスリップしてほしいというのだ。そして3年前の世界でキョンはハルヒに出会う・・・。

 

感想

キョンが過去にタイムスリップするお話。

全ては、3年前の七夕から始まったのかもしれない。

キョンがハルヒを北高に入るキッカケを与えたり、大人版朝比奈さんが出てきたり、3年前の長門が出てきたり。この短編から予想できたのは、ハルヒを北高に入れてSOS団を発足させるために3年前のハルヒに出会う必要があったのだろうということ。なんだか、映画『君の名は』に似たような感覚がありました。

どうやら次作の『涼宮ハルヒの消失』に深く関わる伏線にもなっていて、『消失』を読み終えて思ったことは中々よくできた短編だということです。

 

ミステリックサイン

あらすじ

ある日ハルヒがSOS団のエンブレムを作成した。言われるままにそれをSOS団のサイトにアップするキョン。
そこにみくるが2年生の女子生徒・喜緑江美里を連れてきた。以前にキョンが悩み相談を受け付けると書いたSOS団のポスターを見て彼女は訪れたのだった。その江美里の悩みとは失踪した彼氏を探してほしいと内容であり、彼氏とは隣のパソコン部の部長であった・・・。

 

感想

ハルヒの落書きが大騒ぎを起こすお話です。
もちろんそれのしっかりしたストーリーがあるのに、本題は別にある、というのがこの短編のミソだと思いました。

それは、「長門の孤独」です。

キョンが気づいていたように、長門は、事件にあった人たちを何度も助けてきたと思われます。小泉と違うところは、長門は人知れず、事件を何度も解決してきたということです。人知れずというのはもちろん一人で。

そんな彼女は、寂しさに駆られていました。きっとこの事件は、長門にとって初めて、SOS団のみんなで解決したいと、一人でやりたくない、と思った事件なのかもしれません。あるいは、長門がそう思うこと事態が事件だったのかもしれません。

無感情、無表情の長門がわがままを言うなんて、本当に大事件じゃないですか。

この短編は、長門の「孤独」と「感情」を浮き彫りにした、とても意味のある回に思えました。

 

孤島症候群

あらすじ

夏休みを迎えたSOS団はハルヒの思いつきで合宿へ向かうことになった。向かう先は古泉の親戚がオーナーをしている孤島の別荘。必ずそこで事件が起こると確信しているハルヒは行く前から名探偵きどり。
別荘ではオーナーの多丸圭一とその弟の裕、そして執事の新川とメイドの森がSOS団を出迎えてくれた。
合宿2日目、台風が直撃し、まさにハルヒが望む外界と断絶された孤島となった。そして3日目の朝、多丸圭一が何者かに胸を刺されて、密室となっていた自室で死んでいた。裕は前日の夜からいないという・・・。

 

感想

SOS団が殺人事件に巻き込まれるお話。

今まではSF要素が豊富に盛り込まれていましたが、今回はほぼミステリー系の短編回。

ミステリーが好きな人には拍子抜けするオチになってるかと思いますが、涼宮ハルヒが分かる人なら納得のオチになってると思います。

オチのためにいろいろ語ることはできないのですが、涼宮ハルヒシリーズって、サイドストーリーというか、こういう短編の方も面白いなあと思わされた回でした。

 

感想まとめ

朝比奈さんが活躍した笹の葉ラプソディ、長門が活躍したミステリックサイン、小泉が活躍した孤島症候群。

各キャラが目立つ短編集に思えますが、総じて振り返ってみると、「何か面白いことでも起きないかな〜」と思う退屈を退屈とさせないようにしてもらえたハルヒは幸せものですね。そうしなければいろいろと厄介があるからだとは思いますが。裏で頑張っているのはキョンたちで、ハルヒからしてみると、思い通りにことが進んでいるだけに過ぎないのでしょうが。

とにかく、この作品は前2作とは違った面白さがあるので、ぜひ読んでみてください。


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りん
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