読んだ本

ラノベ『涼宮ハルヒの分裂』を読んだ感想

涼宮ハルヒシリーズ第9作『涼宮ハルヒの分裂』を読みました。

タイトル通り、物語が分裂します。分裂した2つの世界線はいろいろ違って、いろいろ謎が多く、整理するにはかなり時間がかかりました。がっつりSF的展開が戻ってきたようです。

分岐ルートを整理しつつ、『分裂』の感想を書きまとめました。

『涼宮ハルヒの分裂』第1章

キョンの目の前に、SOS団に敵対するメンバーが現れました。

キョンの親友で、ハルヒ的なポジションの佐々木。長門に敵対する周防九曜(スオウクヨウ)。小泉に敵対する橘京子。佐々木が、『陰謀』で朝比奈さんを誘拐した橘京子と周防九曜を仲間として紹介してきて、一体何をする気なのでしょうか。

過去シリーズで何度も敵対勢力の存在について書かれてきましたが、ついに、新キャラ大量投入です。

 

『涼宮ハルヒの分裂』第2章〜3章

ここからタイトル通り、αという時間軸とβという時間軸、2つの時間軸に物語が『分裂』します。

作中では時系列が混在するので、ぼくの脳内整理のために、2つの時間軸を整理しておきます。

 

α時間軸

α-1
土曜日の夜、入浴中のキョンは謎の後輩から電話を受ける。

α-2
キョンは小泉に電話し、橘について尋ねる。
長門には電話しなかった。

α-3
小泉と話した後、猫のシャミセンと一緒に眠る。

α-4
日曜日は何の予定もなく、だらだらと過ごす。

α-5
月曜日の昼休み、キョンは長門に会い周防について尋ねる。彼女は、長門が属する「情報統合思念体」とは別の「天蓋領域」に属するものだという。
放課後、キョンとハルヒがSOS団の部室に向かうと、入団希望の1年生が大勢来ていた。

α-6
ハルヒは入団希望の1年生にSOS団の活躍について説明し「入団試験」を課す。
1人、いつの間にか増えた気になる女の子がいる。

 

β時間軸

β-1
土曜日の夜、入浴中のキョンは佐々木から電話を受ける。
明日、話をしたいといって呼び出される。

β-2
キョンは小泉に電話し、橘について尋ねる。
続けて長門に電話し、周防について尋ねる。彼女は、長門が属する「情報統合思念体」とは別の「天蓋領域」に属するが、現時点では危険性は低いと言われる。

β-3
キョンは妹に勉強を教えた後、猫のシャミセンと一緒に眠る。

β-4
日曜日、キョンは佐々木、橘、周防に会いに出かける。
待ち合わせの場所には、『陰謀』で朝比奈さんの誘拐に関わった未来人の藤原もいた。
佐々木以外の3人から「涼宮ハルヒではなく、佐々木が世界の特異点」という考えを言われ、橘の超能力によって佐々木の異空間を見せつけられる。佐々木の異空間は穏やかで安定したものだから、世界は佐々木に委ねられるべきだという考えだった。

β-5
月曜日、キョンは授業中に居眠りし、佐々木の夢を見た。
放課後、キョンが部室に向かうと新入生の姿はなかった。

β-6
キョンたちは、長門が部室に来ていないことに気づく。
長門に電話すると、体調を崩して休んでいるのだと言う。
(『暴走』にて)雪山の異空間に閉じ込められた時と同じく、長門に対する攻撃が始まったようだった。

 

感想

時間軸によって大分違いますね。「土曜日の夜に、入浴中のキョンが電話を受ける」ところから物語が分裂しているようです。そのタイミングが入浴中であるところは気になるところですが。

αでは「謎の後輩」が登場して、βでは佐々木の団と濃厚接触していました。謎の後輩の存在はよく分かりませんが、佐々木に関しては、閉鎖空間ってハルヒだけの能力ではなかったんですね。なぜ佐々木がハルヒの能力を持っているのでしょうか。謎です。

今作は、物語が2つに分岐したところで終わって完結しませんでした。

 

ついに敵対勢力がしっかり登場したり、謎の後輩も登場して、新たな展開が始まりました。シリーズ8作目までは、キャラクターの内面を掘り下げたり、SOS団の日常を描いたりでしたが、本作からまたSF的展開に重点を置いたストーリーになっていたと思います。

続編のシリーズ第10作『涼宮ハルヒの驚愕』では前後編の2部作になっていて、『分裂』した世界線をどのように収束させていくのかとても楽しみです。


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りん
QA 1年 / Webデザイナー 2年 / SE 2年 / フリーランスSE 1年 / SE人事・開発PM 半年 / 沖縄から福岡に移住3年目 / 趣味や好きなことをブログにまとめてます