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伏せて同時に出す読み合いゲームを無料公開した|サルベージ・ベル

錘(おもり)を伏せて同時に落とし、深く止まったほうが海底の積荷を引き揚げるゲーム「サルベージ・ベル」を、ブラウザで無料公開しました。数字を伏せて同時に出す読み合いの型ですが、この型でふつうは1回に1枚しか出せないところを、サルベージ・ベルでは1局に1度だけ、鐘を鳴らして錘を2枚まとめて落とせます。代償は、次の1潜が空手(からて)になることです。1局は9回の潜行で3〜5分。会員登録もインストールも要りません。サルベージ・ベル|錘を伏せて同時に出す無料の読み合いゲームのページを開けば、その場で始められます。この記事では作った側から、ルールの要点と、記憶の勝負にしないために決めた情報の見せ方を書きます。

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サルベージ・ベルとは? 1〜9の錘を1枚ずつ、伏せて同時に落とすゲーム

サルベージ・ベルは、1〜9の数字が刻まれた鉛の錘を各1枚ずつ計9枚持ち、毎回1枚を伏せて同時に海へ落とす、ブラウザで遊べる無料の読み合いゲームです。錘の重さがそのまま沈む深さになり、深く止まった=重い錘を出したほうが、海底の積荷を引き揚げます。積荷は9個で1つ1〜5点、合計は25〜29点です。9回の潜行を終えて点の多いほうが勝ちます。

サルベージ・ベルの沈む深さは、重さに正比例させてあります。重さ1で10尋(ひろ)、重さ9でちょうど50尋の砂に接地し、目盛り1つ5尋が錘1段ぶんです。二つの錘は同じ速さ(毎秒38尋)で沈むので、軽いほうが先に止まり、重いほうだけがなお沈みます。数字を読み比べる前に、どちらが深いかが目で分かるようにした形です。

使った錘は海に沈んで戻りません。サルベージ・ベルでは9枚の錘と9個の積荷がちょうど対応しているので、遊びの中身は「どの積荷を捨て、どの積荷に重い錘を当てるか」という配分の問題になります。1点の積荷に9の錘を使って勝っても、その9は後半の5点の積荷では使えません。

サルベージ・ベルの潜行の画面。自分の錘8が45尋、相手の錘3が20尋で止まり、上に積荷9個の目録と両者の錘の枡が並んでいる

  • 料金:無料。会員登録・ログイン・インストールは不要
  • 人数:1人用(CPU対戦・強さ3段階)
  • 1ゲームの長さ:9回の潜行で3〜5分
  • 動作環境:iPhone・Androidのブラウザ、パソコンのブラウザ
  • 公開:2026年9月

なぜ作ったのか|「伏せて同時に出す」型が、ブラウザで名乗れていなかった

「数字バッティング 競り 同時公開 カードゲーム ブラウザ 無料 1人用」で検索した範囲では、数字を伏せて同時に出す遊びをブラウザで1人で遊べる場所が見つかりませんでした。返ってきたのは無料ゲームのポータルサイトのカードゲーム一覧ばかりで、「同時に数字を伏せて出し、同じ数字なら両者が失う」という型そのものを名乗っているページはありませんでした。

この型自体は卓上では定番です。競りの数字を同時に公開する遊びは、ハゲタカのえじきをはじめ、日本語で遊べる製品がいくつも出ています。ところが「心理戦 ゲーム 2人 カード 数字 伏せて出す 無料」で検索すると、上位に並ぶのは「心理戦ゲームのおすすめ26選」のようなまとめ記事で、単体のゲームのページはほとんど入れていません。遊びの型に需要の言葉があるのに、その言葉で名乗っているブラウザゲームがない。そこが空いていたので、サルベージ・ベルを作りました。

だからサルベージ・ベルでは、造語の名前だけに頼らず、「錘を伏せて同時に出す読み合いゲーム」という一般名を、ページの見出しにも記事の見出しにも置いています。りんブログで公開している自作ゲームは、専業のサイトが作っていない一般名で名乗ったときに人が来ています。

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サルベージ・ベルのルールは4つ|同時に落とす・重いほうが取る・同値で積み増す・9回で使い切る

サルベージ・ベルで覚える規則は4つだけです。「互いに錘を1枚伏せて同時に落とす」「深く止まった=重いほうが積荷を取る」「同じ重さなら引き揚げに失敗し、その積荷は次に積み増される」「使った錘は戻らない」。1回の潜行の手順は次のとおりです。

  1. 目録を読む。画面上の記録票に、積荷9個の点と効果が最初から全部並んでいます。積荷の並びは隠していないので、9枚の錘の割り振りを最初に組み立てられます
  2. 錘を1枚選んで伏せる。相手も同時に1枚を伏せています。相手の手はこちらが選ぶ前に確定して伏せられており、こちらの選択を見てから決めることはありません
  3. 同時に落とす。二つの錘は同じ速さで沈み、軽いほうが先に止まります。最後まで沈んだほうがその積荷の点と効果を得ます
  4. これを9回くり返す。点の多いほうが勝ち、同点なら引き揚げた回数が多いほう、それも同じなら引き分けです

積荷には効果が付くことがあります。サルベージ・ベルの効果は9個のうち3〜4個に付き、同じ効果は1局に最大2個までです。9個目(最後)の積荷にだけは効果を付けていません。効果はどれも「次の1回」に効くものなので、最後の積荷に付けても次が来ず、意味を持たないためです。

同じ重さを出したときに何が起きるか

サルベージ・ベルで同じ重さを出すと、二つの錘が同じ深さでぶつかって弾かれ、引き揚げは失敗します。その積荷は海底に残り、次の積荷が上から降りてきて積み重なります。点は合算され、効果も両方が次に引き揚げた人のものになります。錘は両者とも失うので、同値が続くと後半の1回に大量の点が集まります。

同値は損なだけの事故ではありません。安い積荷でわざと相手に重さを合わせて点の山を後ろへ送り、重い錘が残っているうちにまとめて取る、という使い方ができます。ただし相手も同じ山を狙っているので、送る側と取る側のどちらに回るかがそのまま読み合いになります。最後の積荷で同値になった場合だけは、その積荷は誰のものにもなりません。

4つの効果は何が違うのか|重さを変えるものと、読みを変えるもの

サルベージ・ベルの効果は4種類で、役割が2つに分かれています。鎖と浮標は錘の重さを±2動かし、海図と銛は重さではなく読みと裁定を動かします。効果は積荷を引き揚げた人のものになり、次の1回に効きます。

効果 何が起きるか 効く範囲
鎖(くさり) 自分の錘の重さが +2。錘の上に鎖が2節継ぎ足され、2目盛り深く沈む 次の1回
浮標(ブイ) 相手の錘の重さが −2。相手の索に浮標が付いて2目盛り持ち上がる(重さは0より下がらない) 次の1回
海図 相手が伏せた錘を二択まで絞れる。深度計に指標が2本出て、そのどちらかが本物 次の1回
銛(もり) 次に同値が起きたとき、その積荷を自分のものにする 次に同値が起きるまで

同じ効果を2つ得ると効き目も重なります。鎖を2つ得れば +4 で、4目盛りぶん深く沈みます。ただし同じ効果を両者が持った潜行では、打ち消し合うようにしてあります。双方が銛を持って同値になればどちらの銛も折れて失敗し、双方が海図を持った潜行では二つの海図が食い違ってどちらも読めません。効果で勝ちが決まるのではなく、効果を持っていること自体が相手にも見えている、という状態を作るためです。

鎖を得た次の1回は、相手より2軽い錘でも勝てます。ここが読みを外す機会で、逆に浮標は、相手が重い錘を出しそうな高い積荷の直前に取れると効きます。効果の付いた積荷は目録に最初から表示されているので、「どの積荷の効果を、どの積荷で使うか」まで含めて割り振りを考えることになります。

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鐘(ベル)はいつ鳴らすのか|2枚出しの代償は「次は空手」

鐘は1局に1度だけ、錘を2枚同時に落として合計の重さで競える手です。代償として次の1潜は空手になり、錘を落とせません。鐘の錘は砂の面を越えて海底に食い込むので、深度計の50尋の線より下に沈みます。深さの上限は59尋で、そこから先は沈みません。

鐘を鳴らせるのは第7潜までに限ってあります。第8潜や第9潜で鳴らせてしまうと、代償の空手が局の外に落ちて、代償を払わずに2枚出しができるためです。第7潜までにしておけば、空手の1潜は必ず局の中に落ちます。鳴らしても鳴らさなくても、2枚+0枚+7回でちょうど9枚を9回に使い切るので、最後の積荷は必ず両者が錘を持って争えます。

鐘を鳴らした直後の画面。錘8と9が海底の砂に食い込み、下のボタンが「空手で潜る」に変わっている

鐘を鳴らす場所は、同値の積み増しで点の山が2〜3段になった1回です。合計の重さは単騎の最大を上回れるので、膨らんだ山をほぼ確実に取れます。急いで序盤に鳴らすと、2枚の錘を安い積荷に使ったうえ、次の1潜まで相手に渡すことになります。代償の空手が落ちる「次の潜行」が安い積荷かどうかは、目録で先に確かめられます。

記憶の当てものにしない|使った錘を全部見せている理由

サルベージ・ベルでは、使い終えた錘をルール上どちらにとっても公開の情報として扱い、画面に数字のまま残しています。画面上段の「錘の枡」に両者の1〜9が並び、使った数字には斜線が入ります。海底にも、沈んだ錘が数字を上に向けて積まれます。伏せられているのは「今回どれを選んだか」だけです。

この決め方には理由があります。伏せて同時に出す遊びは、相手の残りの手札が分かって初めて読み合いになります。相手の残りで最も重い錘より1でも重ければ、その積荷は確実に取れる。この計算ができるかどうかが遊びの中心なのに、使った錘を隠すと、計算ではなく「9回ぶんの数字を覚えていられるか」の勝負になります。記憶力の試験にしたくなかったので、公開の情報は公開のまま見せることにしました。

同じ考えで、待った(1手戻す)は入れていません。相手の錘を見てから自分の手をやり直せると、伏せて同時に落とす読み合いそのものが成り立たないためです。その代わり、「落とす」を押す前なら何度でも選び直せますし、結果画面から「同じ積荷でもう一度」を選べば、まったく同じ積荷の並びで挑み直せます。「あの5点をどう取るべきだったか」は、やり直しではなく再挑戦で確かめる形にしました。

公開されている情報だけで戦うゲームをどう設計するかは、アルティメット三目並べのルールと勝ち方|普通のマルバツとの違いでも同じ問題に当たりました。あちらは盤面が完全に見えているぶん、次の一手で相手をどこへ送るかが読みの対象になります。サルベージ・ベルは、見えている情報を「相手の残りの錘」に置き換えた形です。

CPUと「今日の引き揚げ」はどう作ったか|900回の試行と90日分の実測

サルベージ・ベルは同時手番で、相手の手が見えないまま自分の手を決めます。そのため将棋のような読みの木は作れず、CPUは混合戦略で組んであります。「つよい」はモンテカルロで、相手を「積荷の点に比例した配分+ノイズ」と仮定して残りの潜行を最後まで試し、点差の期待値がいちばん高い手を選びます。試行回数は本番で900回です。

ただし期待値のいちばん高い手をいつも選ぶと、同時手番では読まれて同値ばかりになります。そこで期待値の差に応じた確率で手を散らす形にしてあります。この3段階の差を測るため、それぞれを総当たりで各200局ずつ自己対戦させました。つよいはふつうに174勝25敗1分、ふつうはやさしいに142勝56敗2分、つよいはやさしいに190勝9敗1分です。段階を上げるほど確実に強くなることを数字で確かめてあります。

1人用の「今日の引き揚げ」は、毎日0時(日本時間)に切り替わる問題です。誰が開いても同じ積荷の並びで、相手は癖を画面に明記した「今日の船長」5人のうち1人になります。船長の手は乱数を使わない決定論なので、9回の使い方を先に組み立てれば大きな点差を出せます。その日の最大点差はこちらで全手順を調べて求めてあり、最適手順で勝てる日だけを出題しています。

★の境目は、達成度85%以上で★★★、55%以上で★★、勝てば★です。この0.85と0.55は、90日分を実測して決めました。船長の癖は画面に出ているので、それを読んで指す人と、次の1潜まで読む人を、人の代わりにプログラムで置いて測っています。

  • 癖を読んで指す腕:達成率の中央値0.75。90日で☆1日・★26日・★★43日・★★★20日
  • 次の1潜まで読む腕:達成率の中央値0.78。90日で☆0日・★10日・★★48日・★★★32日
  • 0.90/ 0.55 にしたとき:★★★が前者18日・後者22日にしかならず、腕の差が★に出にくかったので0.85まで下げた

日替わりの問題を「解ける局面だけ出す」形にしたのは、同じシリーズのサイコロで守るターン制タワーディフェンスを公開した|ルート・ホロウと同じ考え方です。あちらは出題前にソルバーでクリア可能を確かめ、こちらは最適手順で勝てる日だけを採用しています。当てずっぽうでは届かず、正しく組み立てれば必ず届く、という条件を先に作っておくためです。

サルベージ・ベルで遊ぶには|料金・保存先・遊べる場所

サルベージ・ベルは完全無料で、会員登録もインストールも要りません。サルベージ・ベル(錘を伏せて同時に落とす読み合いのボードゲーム)を開けば、その場で1局目を始められます。iPhone・Androidのブラウザにも対応しています。

  • 料金:無料。課金要素はありません
  • アカウント:不要。勝敗の記録や連勝日数は、遊んだ端末のブラウザの中にだけ残ります
  • 1局の長さ:9回の潜行で3〜5分。演出そのものは1潜あたり約3.7〜4.9秒で、勝敗の趨勢が決したあとは約2.3秒に早送りされます
  • ルールの詳細:アプリページ内の「遊び方・解説」に、手順・4つの効果・コツ・よくある質問をまとめてあります
  • ほかの自作ゲーム:りんブログが公開しているWebアプリ・ゲームの一覧から開けます

サルベージ・ベルの「つよい」は、相手を「積荷の点に比例した配分+ノイズ」と仮定して読みます。これはあくまで模型で、人がどう配分するかを写したものではありません。人の手のほうが偏っていれば、この仮定は外れます。遊んでみて相手の読み方が単調だと感じたら、模型を作り直す材料にします。