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ネイティブ Lazy Loading の改善【HTML】

ウェブ技術が進化する中で、ページのパフォーマンス向上やユーザーエクスペリエンスの向上が求められています。特に、Lazy Loading(遅延読み込み)はその重要な手法の一つです。Lazy Loading とは、ユーザーが視界に入るまで画像やビデオなどのリソースを読み込まない技術です。この手法を取り入れることで、初期読み込み時間を短縮し、ユーザーの帯域幅の使用を最適化します。最近のHTMLアップデートでは、このネイティブ Lazy Loading 機能がさらに改善されました。本記事では、その改善点と実装例を詳しく解説します。

ネイティブ Lazy Loading の基本

ネイティブ Lazy Loading は、HTML の <img><iframe> 要素に loading 属性を追加することで実現します。この属性を使用することで、ブラウザは対象要素がビューポートに近づくまでリソースを読み込まないようにします。この手法は、ページの初期表示を速くし、スクロールによって必要なコンテンツを段階的に読み込むことを可能にします。これにより、ユーザーはよりスムーズにコンテンツを閲覧できます。

アップデートのポイント

最近のアップデートで、Lazy Loading に関して以下のような改善が行われました:

  1. デフォルトの Lazy Loading: 以前は loading="lazy" を明示的に指定する必要がありましたが、新しいアップデートにより、特定のブラウザではこれがデフォルトで有効になりました。開発者はこれを明示的に設定することで、より簡単に Lazy Loading を実装できるようになりました。
  2. リソースの対象拡大: これまでは主に画像と iframe に限定されていましたが、新たなアップデートでは、<video> 要素や <source> 要素など、他のメディアリソースにも Lazy Loading を適用できるようになりました。これにより、動画コンテンツも効率的に読み込まれます。
  3. 読み込みのプレロード機能向上: Lazy Loading の改善に伴い、リソースがビューポートに入る前にプレロードする機能が強化されました。これにより、ユーザーがスクロールする前にリソースが読み込まれ、体感速度が向上します。
  4. 視覚的なフィードバック: Lazy Loading の導入により、リソースが読み込まれる際に、ユーザーに視覚的なフィードバックを提供することが可能になりました。これにより、コンテンツが表示されるまでの待機時間が明示され、ユーザーエクスペリエンスが向上します。

 

実装例:ネイティブ Lazy Loading の導入

では、実際にネイティブ Lazy Loading を実装する方法を見ていきましょう。以下に基本的なコード例を示します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
    <title>Lazy Loadingの実装例</title>
</head>
<body>
    <h1>ネイティブ Lazy Loading の実装</h1>
    <p>以下の画像は、Lazy Loading を使用して読み込まれます。</p>
    
    <img src="image1.jpg" alt="画像1" loading="lazy">
    <img src="image2.jpg" alt="画像2" loading="lazy">
    <img src="image3.jpg" alt="画像3" loading="lazy">

    <h2>Lazy Loading の活用方法</h2>
    <p>Lazy Loading を使用することで、特に画像やビデオが多いページにおいて、初期の読み込み時間を大幅に削減することができます。以下にその具体的なメリットを示します。</p>
    
    <ul>
        <li><strong>初期表示の高速化:</strong> ユーザーがページを開いた瞬間に表示する必要がないリソースの読み込みを遅延させることで、ページ全体の表示が早くなります。</li>
        <li><strong>帯域幅の最適化:</strong> ユーザーが実際に必要としないリソースをあらかじめ読み込むことがなくなり、ネットワークの負担が軽減されます。</li>
        <li><strong>UXの向上:</strong> ページがスムーズに表示されることで、ユーザーの離脱率が低下し、滞在時間が延びることが期待できます。</li>
    </ul>

    <iframe src="video1.mp4" loading="lazy" width="600" height="400" title="ビデオ1"></iframe>
</body>
</html>

 

上記の例では、<img><iframe> 要素に loading="lazy" 属性を追加することで、Lazy Loading を実装しています。これにより、ユーザーがページをスクロールしたときに、必要なリソースだけが読み込まれる仕組みとなっています。

Lazy Loading のベストプラクティス

ネイティブ Lazy Loading を実装する際のベストプラクティスを以下に示します。

  1. プレースホルダーの使用: Lazy Loading を使用すると、画像や動画が読み込まれるまで空白のスペースが残ることがあります。このため、あらかじめプレースホルダーを設定しておくことで、ユーザー体験を向上させることが可能です。特に、画像の読み込みが遅い場合に効果的です。
  2. 適切な設定の選定: Lazy Loading をデフォルトで有効にすることは便利ですが、場合によっては loading 属性を明示的に設定することも重要です。たとえば、ページ上部に表示したい画像には、loading="eager" と設定することで、優先的に読み込ませることができます。
  3. テストとパフォーマンスの最適化: Lazy Loading を実装した後は、パフォーマンスをテストし、最適化を行うことが重要です。Google PageSpeed Insights や Lighthouse などのツールを使用して、読み込み速度やユーザーエクスペリエンスを評価し、必要に応じて改善点を見つけることができます。
  4. モバイルフレンドリーな設計: モバイルデバイスでは、データ通信が限られているため、Lazy Loading の利用が特に有効です。特に、画像のサイズや解像度に注意を払い、モバイル用に最適化されたリソースを用意することが重要です。
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りん
沖縄から福岡に移住。QA/Webデザイナー/SE/フリーランス/SE人事など。趣味や好きなことをブログにまとめてます。