かなえ寿司 大阪浪速区 早朝に食べた寿司が忘れられなかった話
この店に行ったのは、人が動き出す前の時間でした。
かなえ寿司は早朝4時半ごろから開いていて、混まない時間にゆっくり食べられると聞いて、自然とその時間を狙いました。外はまだ静かで、朝というより夜の延長みたいな空気だったと思います。
店に入ってカウンターに座ると、余計な音が少なくて、自然と目の前に意識が向きました。眠気が完全に抜けているわけでもなく、でもぼんやりしているわけでもない、その中間みたいな感覚で、ただ寿司が出てくるのを待っていました。
1. 足赤えび、さざえ、サザエの肝ポン酢
最初に出てきたのは足赤えびでした。
一口で、えびの甘みが口全体に広がりました。甘さは強く、でも上品で、舌だけでなく口の中全体に甘さが広がりました。身は、お寿司のネタとは思えないほどプリップリで、一口ではとても収まらない大きさでした。最初の一貫で、今日は相当いいな、とはっきり思いました。

次が、さざえの寿司。
しっかりした食感がありながら、噛みにくさはなく、噛むたびに旨みが増していきました。さざえ特有のクセは前に出ず、寿司としてきれいにまとまっていた印象です。

その流れで出てきたのが、サザエの肝ポン酢でした。
肝の苦さはきちんとあるのに、後に残りすぎず、ポン酢と合わさることで輪郭がはっきりしていました。ここで自然と、次の一貫が楽しみになっていました。
2. 白子軍艦、うに軍艦
白子軍艦は、口に入れた瞬間にとろけました。
とろけながら、上品な甘さと美味しさが広がって、炙られていることで生よりも食べやすく、味の輪郭もはっきりしていました。白子が苦手な人でも、これはいけるんじゃないか、と思うくらいでした。

うに軍艦は、甘くて、濃厚でした。
一口目からしっかりとうにの味がして、変に軽くもなく、重すぎることもなく、ちょうどいい濃さでした。このあたりで、日本酒に切り替えました。朝から飲むつもりで来ていましたが、寿司の完成度が高すぎて、自然とそうなった、という感覚に近いです。
3. あじ、赤貝、生穴子
あじは、口に入れた瞬間に鮮度が分かるほどコリッコリでした。
クセは一切なく、上品で、あじそのものの美味しさだけを感じました。ここまで素直に美味しいあじは、あまり記憶にありません。

赤貝は、噛み始めた瞬間からコリッコリで、ここまで鮮度の良い赤貝は初めてでした。
噛んでいるうちに甘さが出てきて、食感と味の両方を追っているうちに、自然と食べ終わっていました。

生穴子は、今回が初めてでした。
鮮度がよく、食感もよく、もちろん炙り穴子とはまったく違う美味しさがありました。淡白なのに物足りなさはなく、静かに印象に残る一貫でした。
4. のどぐろ、大トロ、かんぱち
のどぐろは、脂があるのに重くなく、口の中でふわっと広がって、すっと消えました。
後味がきれいで、日本酒との相性もかなり良かったです。

大トロは、口に入れた瞬間に、上品な脂の美味しさが一気に広がりました。
そして、すぐに溶けてなくなります。大トロなのに、何巻でもいけそうだと思ってしまうほど、美味し過ぎました。

かんぱちは、鮮度がよく、食感もコリッコリでした。
クセは一切なく、上品で、魚そのものの美味しさをまっすぐ感じられました。
5. 炙りものとうなぎ

炙りほたて、炙りカツオは、どれも香りがよく、口に入れる前から期待がありました。
実際に食べると、その期待をきちんと超えてきて、炙ることで旨みが引き出されているのが分かりました。どれも雑味がなく、炙りだから強い、というより、ただ純粋に美味しい、という感覚でした。

うなぎは、食べ終わったあとに一番余韻が残りました。
口に入れた瞬間よりも、飲み込んだあとに「あれは相当よかったな」と思い返す感じで、締めとしてとても印象に残っています。
6. 全体を食べ終えたあとに思ったこと
食べ終えて席を立つとき、満腹というより、しっかり満たされた感じがありました。
どの寿司も完成度が高く、職人が一つ一つ握ったお寿司を食べている、という実感が最後まで途切れませんでした。
おすすめかどうかで言うと、間違いなくおすすめです。
職人が一つ一つ握ったお寿司は相当絶品で、「美味しいお寿司を食べたい」と思ったら、もう一度行きたいと思いました。次も、たぶん人が少ない早朝を選ぶと思います。
7. 店舗情報
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店名:かなえ寿司
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住所:大阪府大阪市浪速区敷津東2-2-8
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アクセス:大国町駅周辺
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営業時間・定休日:訪問時点の情報のため、最新情報は公式・店頭で確認してください